ショーやイベントでお会いした方から、またはメールを通じて私の演技やマジックに関する質問をうけることがあります。その代表的なものと回答をここに掲載することにしました。

Q1 いつからマジックをやっているのですか?
Q2 レパートリーはいくつくらいありますか?
Q3 人が演じているマジックのやり方がわかりますか?
Q4 失敗することはありますか?
Q5 ショーで演じている○○のマジックのやり方を教えて下さい
Q6 そのマジック、出来るようになるまでどれくらいかかりますか?
Q7 どんな練習をするのですか?
Q8 簡単なマジックを教えて下さい
Q9 ショーを依頼したいのですが料金はいくらくらいでしょう?
Q10 他では同内容の演目でのショーがもっと低料金と言われましたが?

Q1 いつからマジックをやっているのですか?
興味を持ったのは小学校の低学年のときからです。本を買ったりデパートのマジック売場で道具を買っていました。カードやコインを使っての本格的なマジックの勉強を始めたのは高校生の頃からです。

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Q2 レパートリーはいくつくらいありますか?
マジックには見た目が同じでもやり方が違うもがあります。また、私のストックの中には動作はマスターしていても演出法が決まっていないものも数多くあります。それらも含めて知っているマジックを延々と演じたら数時間〜数十時間分あります。計ったことがないので分かりませんがおそらくはそれ以上かもしれません。

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Q3 人が演じているマジックのやり方がわかりますか?
マジシャンはコインを消す方法や、カードを変化させる方法などマジックに対する知識をすでに持っていますから他の人が演じているマジックをどうやれば再現できるか? という意味であれば自分なりの方法を構成できるものもあります。そのためマジックを見て不思議さに驚くという機会は、経験と知識と共に減ってしまったのが残念なところです。しかし、それでもまだまだ不思議なマジックに出逢うことがありそれはとても貴重であり嬉しい体験です。

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Q4 失敗することはありますか?
実はあります。ないに越したことはないのですが不測の事態が時として起こります。失敗と言っても自分だけが分かる失敗と、誰の目から見ても明らかな失敗の二通りがあります。
自分だけが分かる失敗が演技中に起こったときには演技の流れは中断しないようにしつつ頭の中でトラブルの原因を探り、その対処法を自分の知識から検索することで(それが当初予定していた収束点ではないにしても)マジックに結末をつけることが出来ます。このような対応の反射神経は経験と知識の蓄積から培われるものだと思います。
デックを床にまき散らしてしまうなどの誰からも明らかな失敗の場合ですが、これにはマジシャンのキャラクターに合った対応が必要になると思います。マジックとは違いますが以前ラスベガスでフレンチ・レストランに行ったときにウェイターが料理を間違えて運んできたことがありました。その旨を告げたときのウェイターの態度がとても洗練されていてレストランの雰囲気に合ったものでした。ひたすら低姿勢に頭を下げるのでも、尊大な態度をとるのでもなく、非常に安心感を与えつつ対応してくれました。失敗が起こらないように細心の注意を払うことが何より大事ですが、もし失敗したときに自分のキャラクター、演技のタッチであればどのように対応するべきなのかを考えておくことも必要です。

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Q5 ショーで演じている○○のマジックのやり方を教えて下さい
最近、メールなどでこのような問い合わせをいただくことがありますが、これには以下のように考えています。
まず、そのマジックが他に原案者が存在するものがあります。やり方が書籍などによって発表されている場合でも、それを私が他の方にお教えする権利は持っていません。
また、問い合わせされる方のマジックのスキルがどれくらいのレベルなのかもわかりませんので適切な指導をすることはかなり困難です。マジックのやり方を指導する場合、その人がマジックをマスターするまで、または少なくとも適切な練習方法を把握しマスターするまでの課程を理解するまで行うのが責任と考えていますが、限られた時間でのメールのやりとりだけではこれも不可能と言わざるを得ません。
他にも理由はあるのですが主に上記の理由によりお断りさせていただいていることをご了承下さい。

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Q6 そのマジック、出来るようになるまでどれくらいかかりますか?
マジックを演じていると尋ねられることがある質問です。が、答えるのはなかなか難しい質問です。
この質問にお応えする前にまず説明したいのがマジックを修得するまでにかかる時間はマジックが全く初めての人の場合と、マジック歴が長い人の場合で著しく異なると言うことです。楽器の演奏を考えてみて下さい。全く初めての場合は楽譜の読み方を学び、どのように指を使うとどのような音が出るのかを覚えないといけませんし、楽譜の読み方が分かっても、指示されている演奏に指を瞬時に対応させるのはかなり難しいと思います。そのような時に未知の楽曲の楽譜を渡されたらそれを演奏できるようになるにはかなり時間がかかるでしょう。しかし、演奏歴が長ければ未知の楽譜を渡されても楽器を学び始めた当初の苦労のうちかなりの部分はスキップできると思います。マジックにも似たような面があります。
さて、私が新しいマジックを覚えようとする場合、手順を追うだけなら一日で出来るようになるものもあります。しかし、自分にとって全く新しい動作が含まれている場合数日から数週間、場合によっては年単位で時間が必要な場合もあります。そしてそのようにして必要な動作が行えるようになってから演技の適切なタイミングや間、抑揚をアレンジして演出方法を確立するまでにはさらに時間が必要です。場合によっては一度完成した演技に観客の反応でさらに修正を施すことも少なくありません。現在演技で使っているマジックの中には十年くらい演じているものもありますから、その意味では今の形になるのに十年かかったとも言えます。ですから、もしマジックをやったことない方がある程度のテクニックを必要とするマジックをマスターする場合は年単位が必要になるだろうと思います。

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Q7 どんな練習をするのですか?
最初に何も考えなくても手や体が動くようになるまでハンドリングを体に覚えさせます。道具を持たずに一通りの動作を行ってみることで(そうすれば道具を落としたりする心配がありませんから)自分にとっての理想的な流れやタイミングを作るのも一つの方法です。またどこにカードやコインを置けば効果的かつ無駄なく、そして美しくマジックを見せることが出来るかを考慮したテーブル上のレイアウトも考えます。
次にセリフを組み立てますが、これは実際にワープロソフトで作業することも多いです。この.ようにするとセリフの流れを客観的に眺められるため説明過多の部分や逆に不足している部分、矛盾している部分などに気づくことが出来ます。
ある動作にどうしても一定の時間が必要な場合、まずはその動作にかかる時間をストップウォッチで計測し、次にそこで言うべきセリフを作って通常の速度で読み上げてこれもまた時間を計り・・・ということを繰り返して動作とセリフのマッチングをとることもあります。
こうしてセリフを作ったら実際にセリフを発声しながら道具を使って動作を行います。「発声しながら」という部分が大事です。やってみるとわかりますが黙って動作だけを行うとできることでも「発声する」ということが自分のリソースを使ってしまい動作がおろそかになってしまったりタイミングがずれたりするのです。
最終的にはセリフも動作も「次はどうするのか?」を意識せずに出来るようになって初めて本番での様々な状況、観客のリアクションや要求に対応できるようになります。

ところで練習方法とは関係ないのですが演じ慣れているマジックを目を閉じたまま行ってみたり、また、Aというマジックのハンドリングを行いながらBのマジック用のセリフを話すということをやってみたことがあります。ちょっとした遊びですが演じ慣れているマジックだと意外と簡単に出来るものです。

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Q8 簡単なマジックを教えて下さい
原則として出演中、つまり演技中にマジックを教えることはお断りしています。
これはクライアントから私に求められていることが、マジックの演技によりイベントや店を演出し、お客様に楽しんでいただくことだからです。そこで予想外のマジック教室が開かれてしまうことは決して望まれていることではありません。
また限られた時間(大抵は十分前後)で教える側と教えられる側の双方が納得できるマジックの指導をすることも現実的に不可能です。
私が演じているマジックの中にはマジックが起こるまでの動作がシンプルで一見するとテクニック不要で誰にでも実演可能に思えるマジックもあるようです。しかし、急な不自然な動き、姿勢を極端に変えること、セリフがおろそかになること等が起こらないように、自然さが出るまでには実はかなりの練習と経験が必要です。

簡単に出来て、不思議で、方法がバレづらく、状況に臨機応変に対応出来、繰り返し演じられるというようなマジックがあれば理想ですが、それは「簡単に出来て」という条件のためになかなか存在しません。二つ目以降の条件を満たすには優れた素材(マジックの原理や方法など)、演技者のセンス、技量、経験のバランスの上に成り立ちますから、なかなか「簡単に出来」ることとは共存しづらいのです。

しかし、そうは言ってもマジシャンでない方々が仲間内にマジックを披露したいというニーズがあることも確かでしょう。デパートにはマジックコーナーが設置されているところもありますのでそこに相談されるのも一つの方法と思いますし、初心者向きの本を今はインターネットで検索し、購入することも出来ます。こちらは一例ですが参考にしてみて下さい。

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Q9 ショーを依頼したいのですが料金はいくらくらいでしょう?
演技時間、回数、観客の人数などによって料金は変動しますので一概には言えませんが、メールで大まかな規模をお知らせいただき「料金の目安を教えて欲しい」というリクエストに関しては、その際の標準的な構成での金額をお伝えしています。
もし、予算をオーバーしてしまうようでしたら演技に必要な準備がさらにシンプルであるものに変更したり、時間や回数の変更で料金の調整を取ることが可能ですのでお伝え下さい。

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Q10 他では同内容の演目でのショーがもっと低料金と言われましたが?
ショーを依頼される際には「いくらでどんな演目が見られるのか?」が判断基準の一つだと思います。しかし他の分野、例えば同じ曲の演奏や同じ名前の料理であってもクオリティやバックアップ体制などで料金には差が生じます。マジックの場合、必ずしも低料金が低クオリティであるというわけではありませんが、演目の種類以外の面(技術の確かさ、マジシャンの雰囲気、場の空気の演出、etc)が総合的なお客様の満足度に影響しますので、可能であれば実際の演技をご覧いただいてお客様のプランに合うかどうかをご判断いただくのも一つの方法かと思います。

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